技術コラム
VLM(Vision Language Model)とは? ~仕組み・特徴・活用例・今後の展望~
はじめに
近年のLLM(Large Language Model)や言語生成AI等は、テキストだけではなく、画像や動画といった「視覚情報」を理解できる方向へと進化しています。その中心にあるのがVLM(Vision Language Model)です。
従来のLLMがテキストの理解と生成に特化していたのに対し、VLMは視覚データと自然言語を同時に処理し、両者を結びつけることができます。
これにより「画像を見て説明する」「写真を基に質問に答える」といった、人間に近い認知タスクが可能になりつつあります。
今回はそんなVLMについて解説し、使用上の注意から今後の展開まで紹介いたします。
VLMとは
LLMとの違い
導入時の注意点と課題
VLMの活用例
以下、代表的なユースケースをご紹介します。
製造業:不良品検出と原因説明
従来の画像AIでは不良品を「なぜ不良と判断したのか」を説明するのは苦手だった。
VLMであれば、画像を解析したうえで「右端にヒビ割れがあるため不良と判断」といった自然言語での説明が可能となる。
医療:画像と患者情報を統合した診断支援
CTやMRI等の診断画像を解析し、電子カルテのテキスト情報と照合して診断の補助を行うケース。
ただし、医師の判断を完全に置き換えるものではなく、診断支援や見落とし防止の補助としての活用が期待されている。
自動運転:周囲を映像と言語で理解・説明

カメラやセンサーから入力される膨大な映像データにVLMを組み込むことで、車両は状況認識を言語化し、意思決定につなげられる
画像を含む問い合わせ対応
従来のカスタマーサポートは文章ベースが中心だったが、VLMを用いれば、ユーザーが送信した写真や動画を理解して問い合わせに対応することができる。
VLMの今後の展望
VLMはまだ発展途上の技術ではあり、今後は以下が期待されています。
◆リアルタイム処理:動画解析や即時応答への対応
現状のVLMは、静止画・動画いずれを入力とする場合でも、モデルの計算負荷が大きく、処理に時間を要します。
そのため、動画をリアルタイムに解析し、その場で状況を説明・判断する用途にはまだ制約があります。
今後は、モデルの軽量化や推論高速化、ハードウェアの進化により、リアルタイムでの動画解析や即時応答への対応が期待されています。
◆業務特化型モデル:医療・製造・教育などに特化したVLM
汎用型のVLMは幅広く使えますが、業務にそのまま導入するには精度や専門知識の不足が課題としてあります。
今後は、医療であれば診断画像やカルテ情報に特化したモデルのように、業務特化型VLMが普及していくとみられます。
これにより、汎用性と専門性の両立が進み、実用度が飛躍的に高まると考えられます。
◆軽量化とエッジ対応:ローカル端末での活用
現状のVLMは大規模で計算資源を必要としますが、今後はモデルの軽量化や効率化が進み、スマートフォンや工場内のエッジデバイスで直接動作できるようになると期待されています。
これにより、ネットワークに依存せずにリアルタイム処理が可能になり、工場の検査ラインや医療現場など、即時性が求められる領域での利用が広まると考えられます。